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短い文章が、命を吹き込んだように、蘇っていく。
彼の顔を、その姿を、低い声を思い出したわけではないのに、胸の内側がじんわりと熱くなっていくのがわかった。その熱は簡単に冷めることはなさそうだ。
きっと、私はこの日、どこかで『コウ』を見つける。そして、友達になったのだ。
それから私たちは――……
7月2日、3日と続くところどころ空白にも、コウの字を当てはめていくと、日記の中の物語が色づき始めた。
読んだことのない小説を読み終えて、胸が震え、その場から立ち上がれないような感覚だった。ジリジリと焦がされた体は、焼けるように、痛い。
私はぱたりとノートを閉じて、瞼も閉じた。
しばらくしてゆっくりと目を開けると、涙が零れていた。
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