第4章 #2

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壊れてしまったスケボーは手に持ったまま、わたしたちはきた道を歩いて帰った。 左隣には、わたしが乗っていたスケボーを抱えるコウがいる。 『それくらい自分で持てる!』と言ったのだけど、コウは譲らなかった。 『これくらいさせてほしい』 申し訳なさそうにそう言われてしまうと、断れなかった。 わたしは、コウに「ありがとう」と言ってから、右隣にいる拓斗に話しかけた。 「拓斗、ごめんな。このスケボー、弁償するし」 「ええって。古いヤツやから。それより、名前いつも言ってるやろ。それ、スケボーちゃうから。ペニー」 「うーん。どう見てもスケボーやと思うけどな」 「ひとまとめにするなって。俺のはクルーザー、灯里が使ってるのは、ペニー」 「うん」 「ペニーは街乗り用でスピードが出やすいから気をつけろって、いつも言ってるやろ?」
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