第4章 #2

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気が大きくなったわたしは、公園だけでは飽き足らず、そのまま月を追いかけて。 暴走して、怪我して、みんなに迷惑をかけて……。 ほんと、何をやってるんだろう……。 「は? 無理やって」 反省しながら歩いていると、右側から声がした。 「なんで俺が、おい!」 そちらを見ると、拓斗が携帯電話を耳にあて、誰かと話していた。 「……あ、ありえへんやろ」 相手側から切られたのだろうか。 拓斗は、機械音が流れる携帯を持って、あんぐりと口を開けていた。 「どしたん?」 いつの間に電話が鳴ったんだろう。 バイブにしていたのかな? 「悪い。妹の塾の迎えに行けって、母親に言われたんやけど……」 そう言って、拓斗はチラリとわたしの奥の景色に目を向ける。するとすぐ、 「やっぱ断るわ」
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