第4章 #2

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その人は、すらりと背が高く、整った顔立ちをしていた。 色素の薄い髪が、月夜に照らされている。 服装は、Tシャツとジーンズ姿黒い柔らかそうなTシャツが、彼のスタイルの良さを引き立てている。 下から見ているからか、とにかく足が長い。 その人は、とても美しい人だった。 「大丈夫……です」 なぜか、声が震えた。 人見知りなどしない性格なのに、どうしてだろう?  自分にそう問いかけて、ふと思った。 わたし、緊張している? 「えっと、あなたは?」 彼は頬を少しこわばらせ、理解できない、とでも言いたげに眉根を寄せて言った。 「君は俺に当たらないように、わざとこけたんだろう?」 「わざと?」 思わず、聞き返してしまう。 「違うのか?」 「えっと……」
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