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こけた瞬間を覚えていなかった。わたしはどうして、こけたのだろう?
それに、こんなに派手にこけるほど、運動神経は悪くないはずだけど……。
あの時、何があったっけ?
時間を遡るように、自分の記憶を辿っていった。
放課後、帰宅したわたしは、制服姿のまま家の近くの公園へ行った。そこへ行けば、拓斗がスケボーで遊んでいると思ったからだ。
予感は的中し、拓斗はいつもの公園でスケボーの練習をしていた。
わたしは隣に置いてあった拓斗の古いスケボーを借りた。
わたしが来ることを予測して、持ってきてくれたのだろう。
二人で夢中になって遊んでいた。
思いがけず、時間は経っていたようで、気づくと辺りは紺色に包まれていた。
藍色の空から青い光の筋が伸びているように見えて、私は夜空を見上げた。
そこには、大きな月が輝いていた。
今日の月は満月だった。
そして‥‥うっすらと青かった。
その満月は、特別な月に見えた。
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