第4章 #2

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そして、気づくと、今だった。 わたしの両膝は血まみれで、体のあちこちが痛い。 痛みのきつい太ももを見るためにスカートをまくりあげると、いくつか紫色に変わった内出血の跡が見えた。 「灯里!」 声を荒げたのは拓斗だ。 「スカート、めくるな!」 「大丈夫。ちゃんと考えてめくってるよ」 「考えてスカートめくる奴がいるか!」 ほんと、拓斗は口が悪いな。 わたしはブツブツ言いながら、スカートを元に戻す。その時、またさっきの声が聞こえた。 「送るよ」 先ほどよりも近くから聞こえる声に不思議に思い、そちらを見ると大きな背中が目に飛び込んできた。 柔らかなTシャツが、彼の背中を浮かび上がらせていた。 痩せ型に見えていたのに、骨ばった大きな背中だった。
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