第4章ー3 #2

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第4章ー3 #2

「ただいま」 チリンと鈴の音が鳴り、横開きの玄関扉が開く音がした後、聞き慣れた声がした。 わたしは、縁側から玄関までダッシュする。 「おかえり!」 乱れた前髪にも気づかず、言った。 「ただいま」 ふわりと笑いながら、上り框の高い玄関を上がるコウ。 目線が一気に上がって、つられるように首を伸ばす 「亀か……」 片手で口を覆い、うっすらと笑うコウに、亀って何だ? と思う。まぁいいか。 わたしは気を取り直して、コウに言った。 「仕出し弁当、届いてます」
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