第4章ー3 #2

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「やっと……家族と連絡が取れたから」 「え……?」 「明日の朝、家に帰ろうと思ってる」 「……」 「だから、もしバイト代があるとしたら、それはお世話になったお礼にとっておいてほしい。てか、灯里の御守をしたくらいで、バイト代なんてもらえないよ」 そう言って、彼は美しい笑みを見せた。 言葉の出ないわたしの頭にポンと手を置いて、彼は目を細める。 「今、……灯里のお母さんにも、挨拶してきた」 「……」 「灯里、泊めてくれてありがとう。すごく助かった」 「で、でも! わたしまだ京都の町、案内できてない! コウに東山の坂を見せたかったし、7月の半ばには祇園祭りの宵山もあるんだよ!」
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