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奏と私は、東京の同じ大学の生徒だった。
広いキャンパスの芝生の上で、奏と私は初めて出会った。
その時、彼は私を見て何かを言った。奏はなんて言ったっけ?
私たちは、どうして、付き合うようになったんだっけ?
「私、やっぱりバカなのかな……」
「なに、突然」
「最近、色んなことを忘れているの」
「うん」
「なんでなんだろう」
ふと漏れた言葉に、「思い出すために来たのかもな」と奏が言った。
私は彼をじっと見つめる。
「すべてを思い出すために、灯里は京都に来たのかもしれないね」
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