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紅葉の時期に、たくさんの人が集まる寺――それが、禅宗の名刹、東福寺だ。
「東福寺」という名前は、奈良の東大寺の「東」と興福寺の「福」の二文字を取って、付けられたのだという。
奈良の二つの大きなお寺に劣らないほど、規模が大きく、今もなお京都最大のお寺だ。
大通りに出てタクシーをとめようとする奏に、「今日は電車に乗らない?」と提案して、私たちは京阪祇園四条駅へと向かった。
京阪祇園四条駅から、東福寺駅まではあっという間だ。
駅に着くと、ちらほらと観光客らしき人たちがいる。
紅葉の季節に来ていたとしたら、ごったがえすであろう道も、シーズンオフの今は歩きやすかった。
私は知らない人々の顔をチラチラ見ながら、東福寺を目指した。
『東福寺はこちら』と書かれた看板通りに歩くと、東福寺の山門が見えてきた。
実は、東福寺に来たのは二回目だった。
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