最終章 #2

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声が出ない。 理解できないわけじゃない。 わたしの頭が、そんなこともあるかもしれないと思いそうになるのを、必死に拒否しているのだ。 「例えば、俺たちみたいな物質の世界を、大きな万華鏡だと考える。 そして、その万華鏡の中に、4%の欠片を入れてみる。 万華鏡を見る角度を変えると、見える絵は変わるだろう?」 わたしは唇をかみしめた。 「地球の中の世界は、一つだけじゃなく、いくつも同時進行で進んでいるんだ。 灯里のいる世界が1の世界だとすれば、俺の世界は、万華鏡の角度を変えると出てくる。 そこは、2の世界。世界は二つだけじゃなく、3の世界も、4の世界も、いくつも存在する」 「……」
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