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声が出ない。
理解できないわけじゃない。
わたしの頭が、そんなこともあるかもしれないと思いそうになるのを、必死に拒否しているのだ。
「例えば、俺たちみたいな物質の世界を、大きな万華鏡だと考える。
そして、その万華鏡の中に、4%の欠片を入れてみる。
万華鏡を見る角度を変えると、見える絵は変わるだろう?」
わたしは唇をかみしめた。
「地球の中の世界は、一つだけじゃなく、いくつも同時進行で進んでいるんだ。
灯里のいる世界が1の世界だとすれば、俺の世界は、万華鏡の角度を変えると出てくる。
そこは、2の世界。世界は二つだけじゃなく、3の世界も、4の世界も、いくつも存在する」
「……」
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