最終章 #2

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一色一色、色は変わって。最後は紫で花火は終わった。 「ほんとに7色あったよ」 「そうか」 「次はこれ!」 そう言って、袋から新しい花火を1本取り出して火をつける。 「昔やらなかった? 手持ち花火をぐるぐる回すヤツ」 「やったことない」 「ほんと? じゃあ、今、やる?」 と言うが早いか、わたしは花火をぐるっと回して見せた。夜空に花火の絵ができ上がる。 コウは肩を揺らし、少しだけ笑った後、長い腕を回して、夜空のキャンパスに絵を描いた。 わたしよりもずっと腕が長いせいか、勢いをつけすぎたせいか、火の粉がこちらまで飛んできた。 「うわ、コウ、下手くそ! 今の危なかったよ!」 「この遊びは“危ない”が前提なんだろ?」 「違うし!」
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