最終章 #2

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やはり、その瞬間は、夏の終わりをわたしたちに告げているように感じた。 もう少しで、青い月の夜が終わる。私たちの夏が終わる。 瞼を伏せて、消えた花火を見ると、瞼の奥に、かすかな気配を感じた。 そっと目を上げると、しみいるような静かな眼で、コウに見つめられていた。 暗闇の中で、もう一度目が合って、私は、 「……どうしたの?」 と聞いた。 コウは、何かを言おうとして、言葉を詰まらせ、 「……いや。何でもない」 それだけ言った。 わたしはそんなコウに、伝えたかった。 胸の奥底に眠る言葉は、一つしかない。 「……好き」
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