最終章 #2

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「今日で、ブルームーンが終わるから」 「え……?」 「もう、ここへは、来れない」 わたしには、コウの言葉が理解できない。 こんなにそばにいるのに、抱きしめてくれたのに、わたしたちはもう会えないの? 目の縁が熱くなり、鼻の奥が痛くなってくる。 けれど、泣いてはダメだと思った。これ以上、コウを困らせたくない。 瞼に溜まる涙を零さないように堪えていると、彼が私の頬に張り付いた髪を直してから、苦しそうに目を細めた。 「俺の住む世界と、灯里の住む世界は……違うから」 「どういう、こと?」 わたしは彼を見つめる。 彼は優しく微笑んで、知らない単語を言った。 「灯里はさ、パラレルワールドって、知ってる?」 パラレルワールド?
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