2 #2

2/15
前へ
/35ページ
次へ
どう見ても 僕より年上には見えない彼女とケラケラと笑い合いながら、 僕たちは山道を歩いた。 先立って歩く彼女の足取りは、軽やかだ。 彼女は茶色の山道に伸びている木や草を、うまくかき分け進んでいく。 道とは認めたくない道に差し掛かっても、きつい傾斜を歩いても、 彼女の歩くスピードは変わらない。 文句ひとつ言わない。 沙紀は、地元の子どもだなと感心した時、彼女が立ち止まっていることに気付いた。 「圭一君、大丈夫?」 彼女が振り返って、言った。 僕は肩で息をしながら、「大丈夫」と声を出す。 サッカーで鍛えているはずなのに、山道は使う筋肉が違うのか。 それとも沙紀が早いのか。 「もうちょっとだから」 彼女は、涼しげな表情を見せた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加