第三章 #2

1/7
前へ
/35ページ
次へ

第三章 #2

僕は相槌を打ちながら、婆ちゃんの話に耳を傾ける。 「ブルームーンは、ひとつきに二度現れる満月のことをいうって、話はしただろ?」 「うん」 「月は少しずつ満ちていき、満月になって、欠けていくだろう。だから、ブルームーンの力を宿す満月っていうのは、大潮の満月の4日間のことなんだ」 「4日間……?」 「そうだよ。5日目の月は欠けだして、満月には見えない。それはもうブルームーンじゃないんだ」 5日後には、ブルームーンがただの月に戻ってしまうんだ。 「数年に一度しか現れないブルームーンだから、しっかり見ないといけないねぇ」 婆ちゃんは独り言のように呟いた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加