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「つめたっ」
今朝、雨が降ったのだろうか。
森へ着くと、小道の脇から伸びている木の葉についていた雫が、僕の腕を濡らした。
よく見ると、木の葉の上にある雫たちは、青い月に照らされて、水晶色に輝いている。
町に降った雨は、すでに乾いていたのかな?
気づかなかったけれど。
日の当たりにくい森にだけ、水敵が残っていたってことか……。
湿った森を歩いて行くと、視界が開けた先に青い泉を見つけた。
泉を見つけると同時に、僕の目は彼女のことを探してしまう。
泉の淵でしゃがみ込み、傘を使って遊んでいる彼女のことを。
それは、僕が一目ぼれした美しい彼女の姿だ。
今日もその姿が見れると、期待して来たのに――。
あれ? いない……
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