第4章 #2

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「うん。この髪飾り、すごく可愛いよね。圭一君、本当にありがとう」 ありがとうと言いたいのは、僕のほうだ。 僕が選んだものを身に着けてくれるなんて、それだけでどうしようもなく嬉しい。 髪飾りが風に揺れ、髪と一緒にキラキラと光るたび、胸の奥のほうがキュウと締め付けられる。 今日、つけてくれるなんて、思いもしなかった。 彼女が僕のほうを向くたびに、髪の横についている小さな星が淡く輝く。 星の煌めきに、僕の想いが反射するようだ。 「……似合ってる」 「ほんと? 嬉しい」 純粋に喜んでくれる沙紀の顔をずっと見ていたかったけれど、少し恥ずかしくなった僕は彼女の隣でしゃがみ込み、拾った傘を泉につけてみた。 先ほどの彼女と同じように星をすくってみようと思ったけれど、うまくできない。 星が集まってこない。
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