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彼女はどうやっていたっけ?
広げた傘で水をすくいながら、僕は言った。
「沙紀はさ、星をすくえたことある?」
「ないよ」
彼女は柔らかい笑顔でそう言った。
先ほど、星をすくっているように見えたのは、目の錯覚だったのかな。
「やっぱり、すくえない?」
「うん。……すくえない」
今度は残念そうに、そして断言したように言う。
「小さいときは、本当にすくえるって思ってた。金魚とかアメンボとか、そうゆうのをすくう感じで。泉に映る星影もすくえるって思ってたんだけど、やっぱりすくえないな……」
「気づいたのに、どうして、まだやるの?」
「それは……」
彼女がすっと息を吸って、吐いて。泉を見つめて言った。
「すくうマネをしてたの」
「……どういうこと?」
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