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「圭君?」
桜さんの声で我に返る。
桜さんの隣に立つ裕也が、ものすごい形相で僕のことを睨んでいる。
絶対に桜さんを傷つけるようなこと言うなよ、お前には前科があるんだから、という無言の圧力がオーラとなり、全身から出ていた。
僕はそれを受け取って、
「何?」
穏やかに言った。
「お昼ご飯、食べた?」
「まだ、だけど……」
「じゃあ、みんなで食べない?」
裕也の目から放たれる光線があまりにも強くて、僕は頷くしかなかった。
僕たちは住宅地の路地を歩いて、小さなカフェを見つけた。
女の子が好きそうな、お洒落で可愛いカフェだった。
「ここにしない?」
「いいよ」
桜さんの声に裕也が答えて、僕たちは店内へと入る。
オススメのランチを4つ頼んだ。
無駄にでかい皿に少しずつ盛られた可愛らしい飯を見て、僕はどんぶり飯が食べたいと思った。
やっぱり昼飯は牛丼だろう?
そう思ったが、裕也がまた睨むように僕を見ているので、口をつぐんだ。
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