最終章 #2

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僕以上に大食いの裕也の昼飯が、その程度で足りるとは思わなかったけれど、裕也はうまそうに食べていた。 そんな裕也を見て、僕は自嘲気味に微笑んだ。 今までの僕なら、裕也の気持ちを理解できなかっただろう。 桜さんの趣味に合わせている裕也を優しいな、仲良しだな、と思いながらも なぜそこまでするんだろう? 牛丼に誘えばいいじゃないか と思っていたはずだ。 でも、今なら。 今の僕なら、わかる気がする。 好きな人が、好きな物を、一緒に楽しみたい。 それが自分の好みの物じゃなくても、彼女の喜ぶ顔は見たい。 この程度のランチに付き合うくらいで、最高に可愛い笑顔が見れるなら、安いもんじゃないか きっとそう思うだろう。
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