最終章 #2

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堤防沿いを歩く僕たちを、夕暮れが赤く染めた。 薄紅色のちぎれ雲が空に散らばっている。 夕方の風が吹き、短く刈られた芝生から青草の匂いがする。 僕たちが歩いている堤防では、ランニングをする人、犬の散歩をする人、ベービーカーを押す若いお母さんなどがいて、土手の下のグラウンドからは、活気のいい高い声が聞こえてくる。 そちらに目を落とすと、白いユニフォームを着た子どもたちが、野球の練習をしていた。 「なんか、悪かったな……」 その景色を何気なく眺めてながら歩いていると、裕也がぽつりと呟いた。 「何が?」 僕は裕也の横顔を見て、聞いた。 「あんなこと、言わせて」 裕也は前を見たまま、言った。
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