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ふと脳裏を過る声は、電話越しで婆ちゃんから聞いた声だった。
僕はそれを思い出し、強く願った。
僕は、沙紀に会いたい。小学生の沙紀の元へ行きたい!
僕は、12年前の彼女の命を救いたいんだ!!
そう強く、強く願って、僕は足元の板を踏みつけて、空へと飛び上がった。
僕の体が宙を浮く。
そして、そのまま水面に映る青い月の中に、飛び込んだ――
そこが、青い光が一番たくさん届く場所だったから――
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