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ブルームーンの淡い光が、彼女の表情を映し出す。 きっと僕の顔は影になり、彼女には見えていないのだろう。 僕が見ている沙紀は、17歳の沙紀のミニチュアだった。 目は大きく、鼻筋は通っていて、唇は小さい。 パーツはすべて沙紀だけど、そのパーツのすべてが未熟な子どもで。 17歳の沙紀を猫のようだと思った僕に、この子は子猫にしか見えなかった。 けれど、僕は……。 「沙紀……なんでこんなことするんだよ!」 泉に身を投げた理由は、6年後の沙紀から聞いたはずなのに、僕は彼女の問いに答える余裕もなく、怒りたくなった。 目の前にいる小学生の沙紀は、想像していたよりもずっとずっと、小さくて、儚くて。 二度と、こんなことをしてほしくなかった。
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