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「ほんと、どうしてかな?」
美柚はぷるぷると頭を振った。
…………むり、怖すぎる。
屈み込み真っ正面から対峙させられて、冷たい青の双眸で全てを見透かそうとするかのように覗き込まれる。
無の境地にもさせてくれないらしい。
驚くほど綺麗な色のその瞳の奥に、ちらりと見え隠れする感情の揺らめき。
何かを渇望するような、冷たくも熱い何かを思わせる。
それに捕われてしまえば、あっという間に底まで引き込まれ、埋まってしまいそうな恐怖を感じた。
その視線にさらされ、落ち着いていられるはずもなく、美柚はそわそわと視線を漂わせた。
そしてようやく、自分が何を見たのか理解した気がした。
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