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そっとそぉっと、ジンを窺い見る。
レンと違って濃い青い双眸。
今は美柚への苛立ちが多くてわからないが、尋常ではない眼力を思えば、まともに視線を合わせるのはまた別の意味でも怖かった。
…………これって、やっぱりあれよね。
つまりはあれだ、彼らは普通の人とは違うということだ。
『あれ』は見たくて見たわけではない。
ああ、泣けるものなら泣きたい。己の不運さを嘆きたい。
──……彼らと関わらないようにしていたのに……。
その美柚の判断は正しかったようだが、もはや後悔しても遅い。美柚の行く末は風前の灯火である。
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