2-4 恐怖の屋敷

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 言葉とともに、その白皙の美貌がまた恐ろしい。  弟の方──ジンはずっと無言で美柚を見据えていた。  まるで監視されているようだ。いや、現状を考えればまさにその通りなのだが。  レンに「んっ?」と視線を投げられ、美柚はゆっくりと重力に従うように(こうべ)を垂れて頷いた。 「そう。いい子だね」  優しく微笑む瞳に逆らえない支配者たる光を見せられ、美柚は目の前に三途の川が見えたような気がした。
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