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長い足を組み直し、美柚がいるキッチンの方向を面倒くさそうにジンは視線をやった。
自身の迷いもあるのか、レンは顎に手をやりながら、
「ん~、そうだねえ、まあねえ」とつかの間考えていたが、今度は指でトントンと額を叩きながら言葉を続けた。
「でも気になることがあるから」
「あれか?」
「そう、あれ」
「ただの偶然だろう?」
「二回も?」
「…………」
端整な顔を突き合わせ、特に明確な主語がないまま兄弟は会話を続ける。
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