2-5 それぞれの思い

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 長い足を組み直し、美柚がいるキッチンの方向を面倒くさそうにジンは視線をやった。  自身の迷いもあるのか、レンは顎に手をやりながら、 「ん~、そうだねえ、まあねえ」とつかの間考えていたが、今度は指でトントンと額を叩きながら言葉を続けた。 「でも気になることがあるから」 「あれか?」 「そう、あれ」 「ただの偶然だろう?」 「二回も?」 「…………」  端整な顔を突き合わせ、特に明確な主語がないまま兄弟は会話を続ける。
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