3-2 紅夜薗レン

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 こんな風に自分から声をかけてくるなんて、相変わらず何を考えているのかわからない。  特に家事をしだすと、自分たちにまつわるいろんなことを忘れているのでは、と思うようなことは多々あった。  レンは濡れた前髪を後ろにやり、溜め息をついた。 「ちょうどいいよ」 「そうですか。じゃあ、ゆっくりしてくださいね」  どこかのんびりとした声でそう言われる。  至れり尽せりで、美柚の家政婦ぶりは完璧である。『怖い』『苦手だ』と友人に叫んでいた人物とは思えない。  しかも、レンの吸血場面をしっかりと目撃して、自分たちが何者であるかを知っているはずなのにである。  そのために脅された人物に本気で怯えていたのに、こうも気を許すように暢気なのは、『逆に大丈夫なのか?』と問いたくなる。
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