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「過激派……多分、ジャミスカーの珍客だよ。しかも上級」
「…………そっちが狙いか」
ジンはそれっきり無言になった。ペラ男から重症のレンを受け取ると、そのまま何も言わずに屋敷の中へと入って行った。
美柚もその後を、ペラ男に連れられるようにして付いて行く。
奥の部屋へと姿を消したジンを見送り、美柚は玄関ホールで座り込んだ。
「もう、何だったの……」
そう出した声は擦れ、涙声になる。
ジンは何も言わなかったが、そんなに慌てた様子もなかったので命に関わることではないのかもしれない。よくわからなかった。
へにゃへにゃと力が抜けた体を起こそうともせず、美柚は今になって震えだした身体を抱きしめるように腕をさする。
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