4-2 月の光のもとで

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 どれくらいそうしていたのか。時間の感覚もないまま、美柚は吸血されるという行為を体験していたが、身体が離れる気配がして目を開けた。  ジンが口についた美柚の血を手の甲で拭い、ペロッと舐めた。その仕草にドキッと鼓動が打つ。 「大丈夫か?」  少し落ち着いたジンが気遣いの色をのせ、美柚を見下ろした。いつもは厳しい硬質の群青色も優しい色に見えるから不思議だ。  美柚はぼうっとしながらもコクンと頷く。想像よりも痛くなく、どちらかといえば気分は悪くない。  ジンはまだ白い顔をしていた。回復するだけ飲めてはいないのだろう。やはり、こちらを考慮してくれているようだ。 「足りない?」 「はっ。お前はもっと自分の心配をしろ。わかっているだろうがこのことは……」 「お兄さんには言わない」  美柚が続きの言葉を奪い、先に言う。
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