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「ぐだぐだ考えるな。俺たちの傍にいたらいつかは父親に会える、くらいに思ってればいい」
叩かれた美柚は頭に手をやり、交互にジンとレンを見ると小さく頷いた。
ジンの言動に素直に頷いた美柚を見て、レンは胸の内が不思議にざわめくのを感じた。
人に懐かないジンがわずかながらも彼女に心を許し、それを彼女は以前の警戒心はどこへやら素直に受け止めている。ほんとにいつの間に仲が良くなったのか。
誰に何を思えばいいのかわからず、レンは苦笑した。
いろいろ思うことはあるが、これからは親公認で生活していく。互いの状況を理解していた方が危険を回避できることもあるし、その上で仲が良いに越したことはないだろう。
そんなことを考えながら二人を観察していたら、そこでジンと視線が合った。
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