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5-2 選択の結果
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明日から冬休み。
下校時刻、廊下で美柚が友人の城ヶ崎多香子と話しているのを視界に捉えながら、紅夜薗兄弟は1ーAの担任である久木のもとに訪れていた。
レンは担任の前に立ち、ジンは両方の顔が見える少し離れた机の上に軽く腰掛けた。
無言で入り勝手に陣取った二人を見て、久木は怒るよりは面白そうに笑った。
「二人そろってどおしたのぉ。もしかして愛の告白かしらぁ」
相変わらずのいつでもどこでもふざけた口調と内容を、ジンは見事なまでにスルーし、レンはふっと笑みを浮かべただけでさっそく本題を切り出した。
「どうして彼女を誘導したのですか?」
「反応くらいしなさいよぉ。ほんと、もう少し肩の力を抜いたらぁ」
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