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ジンは相変わらずな態度の教師に、ふんと鼻を鳴らした。
レンは冷めた眼差しで久木を見据え、それでも会話を続ける。
「みたいとは、曖昧な表現ですね」
「だってぇ。彼ってとても魅力的なのよ。彼女が高校に入る前にちょっと知り合う機会があったのよ。あなたたちももちろんだけど、吉永さんもただの担任になるには縁があるわよねぇ」
久木はそこで意味深に笑みを浮かべ、ふっと双子に視線をやった。
レンは胡散臭そうに見やり、ひどく静かな声で告げた。
「だからっていうのは納得しませんよ」
「わかってるわ。でも、さっきも言ったけれど、わたしがどう動こうが今の現状があるのはあなたたちが選択した結果でしょう? それが親公認になったっていうだけで何か問題でも?」
正論にわずかに眉を寄せ、ジンはこちらを見たレンと顔を見合わせた。
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