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頭が回るレンは、いつも自分たちに降り掛かる火の粉を回避してくれている。
そんな兄を、何かあった時に守るのが自分の役目だと思っている。それはずっと変わらない。
ついでに、守る対象が一つ増えたことになったところで、それを重荷と思わなければ、久木が言うように自分たちがそう動いた結果である。
確かに、誰がどう動こうが納得した時点でジンに差異はない。
その後どうくるかはその誰かの思惑次第だが、ジンの考えは至ってシンプルだ。
何かあれば自分の持てる力で彼らを守ればいいだけのこと。
それに、親がこの現状を納得しているのであれば、それは一族の総意である。なら、情報や行動の範囲を広げることができるので何も問題なかった。
視線を絡ませたレンの青い瞳は清流のように澄んでおり、現段階で後悔していないと物語っている。
だが、それとこれとは別だと久木に視線を向けたのを見て、レンはレンの思惑があるのだろうとジンは静観することにした。
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