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レンの帰宅の合図の言葉とともに、ジンは頷くとすぐさま踵を返した。
「では、先生。新学期を楽しみにしています。それから、もう少し趣味を控えめになさってください」
「趣味ねぇ」
久木はにやにやと楽しそうに、レンの言葉を繰り返す。
丁寧(?)に退室を述べ部屋を出ようと歩いていたレンは、ジンの待つドアのところでくるりと振り返り久木を見る。
そして、さぞ今思いついたとばかりに、にっこり微笑むと青い瞳を妖しく光らせた。
「そういえば、吉永さんにあなたが仲間なのかと聞かれたので、そこは僕たちから詳しい話はしませんでしたよ。
上手に濁しておきましたので、手紙のことで吉永さんはあなたに不信を抱いているかもしれませんが、そこはご自分で信頼を確保なさってくださいね」
「意地悪ねぇ」
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