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「それよりも気付いた? 彼がこっちに来ているようだよ。遊びにくるかな」
「だろうな」
「そうだよねー。どうしようかなっ」
「無理はするなよ」
「僕がそんなドジ踏むと思う?」
「思わないが、油断は禁物だ」
「わかってる。心配してくれてるんだよね。けど、彼相手に無理も何もないから」
こっちも見ずにぶっきらぼうな物言いの弟の様子に、レンはこっそりと笑いを噛みしめる。
いつものことながら感情表現が乏しい弟は、考えをめったに表に出さないし、出す時は直球だ。そんな不器用な弟は、レンからしたら可愛らしい存在だ。
珍客と自分とジン。
どんな感じになるのかなと、どこかわくわくしている自分を感じながら、レンは門扉を押した。
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