1113人が本棚に入れています
本棚に追加
/384ページ
惚けたように自分たちを見る美柚の様子に、レンはくすりと笑みを浮かべると、平然ととんでもないことを告げた。
「そうだよね。この前話したように僕たち側にも問題あるし。それに君の存在は向こうに知れてしまったわけで。今は下手に動かず僕たちの傍にいるのが一番だよ。
いわば、運命共同体といったところかな」
「────……運命共同体……?」
レンに爽やかに言われた言葉を、美柚は呆然と反芻し続いて不安に駆られた。
…………彼らとひとくくりにされるのも、何だか、ちょっと、困る。
「不満? だけど、吉永さんの父親も君がここに残ることを望んでいるみたいだし。僕たちとしても興味があるから、何かと面白いことになりそうだよ」
───……面白い? そんなのでいいの? それに面白いのは父の行動? 環境? 私? 主語がないのでわからない。
最初のコメントを投稿しよう!