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ピッ、ピッ、ピッと目覚ましが鳴り響く。
美柚はもぞもぞと起き上がり、眠気まなこでそれを止めると、温もりを求めて掛け布団を一層自分にかき集めるように潜り込んだ。
寒くてベッドから出るのが億劫になる。
それでも数分。己のすべきことのために、もぞもぞとベッドから這い上がる。
陽光が窓から差し込む中、上着を羽織り美柚は階下へと降りた。
二学期当初からのことを思うと涙が出そうなくらい大変な日々だったが、美柚の気持ちも身もやっと落ち着くところに落ち着いたと思えるようになった。
ただ、冬休みということは、学校に行くこともなく、紅夜薗兄弟とずっと屋敷で一緒に過ごすということになる。
それはまた違った意味で緊張すると思いながら迎えた、冬休み初日の朝。
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