Winter vacation

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   こたつの足に施された彫りは繊細さとダイナミックさが混在し、こたつ布団は濃い茶色をベースに暖色が組み合わさったデザインで触り心地もよく、何より部屋の趣に合っている。  ただ、部屋に溶け込むかと言われれば悩むところだ。  そして、何より目立つオレンジ色のみかん。  それもてんこもり置こうとするので少しだけにしてもらい、後は涼しいところに保管する。  庶民的というか、庶民の生活に憧れているのかと思える行動は、親しみがわくもので、少しばかり双子の見方が変わる。  ありきたりな日常、気負わない生活に、美柚は自然と笑みがこぼれた。  ただ、穏やかな気持ちで迎えたこたつとみかんによって、面映(おもはゆ)く何ともいえない思いにさせられることを、彼女はまだ知らない。
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