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双子兄弟の前では落ち着かずびくびくした態度であったが、本来の美柚は気が強い方だ。
集団で責められても、自分に非がないのであれば態度を変えるつもりはない。
あまり関わりのない彼女たちに生意気だと思われたとしても、かまわなかった。
それに、今日で学校を辞めるのである。
彼女たちの暢気な悩みに付き合っている暇も、義理もない。
────ここはさくさく終わらせよう。
そう決めて、退出を願い出る。
「もう戻ってもいいですか」
「……っまだよ!!」
堪えた様子のない美柚の態度に、彼女たちは意表をつかれ目を丸くしていた。
なまじ身体が小さいからか、美柚がはっきりとものを言うと相手は驚く。
良くも悪くもその辺のラインがはっきりしているので、本人の中ではぶれることはない。
相手がどう思おうと、美柚の中で『 必要 、 不要 、 穏便 』が日常を生活するにあたってしっかりと確立し、独自のバランスで存在しているのだ。
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