2-2 お約束、というやつです

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 一方、敵意をあらわに睨みつけられた美柚は、どっぷりと疲れを感じながら、気の強そうな先輩を見た。  目鼻立ちがはっきりし、化粧もばっちりと決めている。  短めのスカートはちょっと過剰な気もするが、身だしなみは整っている。綺麗ではあるが、どこにでもいる今時の女子高生といった感じである。  見当違いの非難ゴーゴーのきつい双眸を見るからに、自分の態度は彼女たちを逆に(あお)ってしまったようだ。  美柚は一度空を仰いで溜め息をつくと、ゆっくりと集団で控えている平和な彼女たちを眺めた。  こんな些細な、美柚にとっては八つ当たりのとばっちりも同然のようなことで、一生懸命になれる。    これは、もう時間があるものにしか出来ない特権だ。  時間の使い方はどうであれ、それは幸せなことだと彼女たちはわからないだろう。    追い詰められているだろう状況で、妙に冷静に分析している自分に美柚は苦笑した。
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