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とにかく、このままどれだけ時間をかけたとしても、彼女たちとわかりあえる気がしない。
目の敵のように自分を睨んでくれているが、そんなに熱い情熱を向けられても知らないものは知らないので受け止めようがない。
そもそも、紅夜薗兄弟のことに対して熱量を持てない。
だから、争う気もなく、話す内容さえ、美柚にとっては意味不明でしかなかった。
美柚は自嘲気味にふっと息をついた。
こっちはこれから学校と正式な手続きを取った後は、いち早く生きるためにバイトと住めるところを探さなくてはいけないのだ。
ほんと、羨ましい。
そんなどうでもいいことで憤れるなんて、なんて立派に暇を持て余しているのだろう。時間を分けて欲しいくらいだ。
いろいろ考えたところで、彼女たちに割く時間はないと改めて思う。
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