2-2 お約束、というやつです

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   周囲の緊迫した空気に反し、美柚はのんびりと口を開いた。 「じゃあ、早く用件をすませてもらえますか」 「…………」  予想通りというか、勢いだけでここに来た彼女たちは黙ってしまった。   美柚は内心うんざりしながら、彼女たちの出方を待った。  さっさと去ってもいいのだが、別に喧嘩を売っているわけでも買っているつもりもないので、話し合いの姿勢だけは取っておこうと思ったのだ。  だが、いつまでも黙り込み戸惑うように顔を見合わせている彼女たちに、美柚もさすがにしびれを切らす。  もういいですか、と問おうと口を開けかけた時。 「あんたたち、美柚に寄って(たか)って何してるの?」  良く通る明瞭な声が下から聞こえてくる。  その覚えのある声とともに、非常階段の下から現れたのは、中学からの友人である城ヶ崎(じょうがさき)多香子(たかこ)だった。
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