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「多香ちゃん?!」
美柚は驚きとともに、親しい友人の登場に顔を弛緩させる。
どこかで偶然、美柚が彼女たちに連れて行かれるのを見て、心配して追いかけて来てくれたのだろうか。
そう考えると、ふわっと気持ちが温かくなって頬が緩むのを止められなかった。
多香子の猫目の大きな瞳が、じろりと女子軍団を睨みつける。
第三者の登場にすっかり固まってしまった彼女たちを一通り眺め終わると、何も反応がない相手に多香子はふっと嘲笑した。
────根性すわってないのに、美柚につっかかるなんて馬鹿を見るだけなのに。
美柚の見た目にいけると思ったのだろうが、彼女の真髄を知らないのであれば仕方がないと言えば仕方がない。
続いて、のんびりと己の名前を呼んだ美柚に視線を移すと、ふにゃりと自分を見ている友人に、多香子は眉をしかめすっと目を細めた。
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