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────……ったく。
多香子は小さく溜め息をつくと、状況を無視したような美柚に呆れ、眼力を込めて見つめた。
美柚はえっと目を丸くする。
心配して来てくれたわりには、ちょっと様子がおかしい。多香子の視線が、なぜか呆れと怒り込めて自分に向けられているのは、気のせいだろうか。
戸惑いきょとんとする美柚に、多香子は厳しい表情で鋭く見返してきた。
「美柚もいつまでこんな人たちに付き合ってるの?!」
続いて、不機嫌な声で嗜めるように言われ、美柚ははの字に眉尻を下げた。
「だって」
「だってて何? 私はあんたに訊きたいことがあるの。そんなどうでもいいことよりも優先は私でしょ」
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