2-3 怪奇現象?

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   美柚が話し終えると、終始黙って聞いていた矩斗は、いつもの優しい眼差しとともに(ねぎ)ってくれる。 「大変だったね」  美柚は頷きながらも、労いの言葉にちょっと泣きそうになった。  ほんの少しだけ目を伏せたが、己の気力を奮い立たせるように強い眼差しで矩斗を見る。 「うん。でも、大丈夫だから」  そんな美柚の様子に、矩斗は目を細め、思案気に眺めながらも話を続けた。 「それにしても、おじさんどこに行ったのかな。美柚ちゃんは心当たりある?」 「まったく何も。そもそも全ての家財道具がなくなっていて、私の荷物もひとまとめにした上にお金と手紙が置いてあったから。一切手がかりはないの」 「そう……」  思案気に顎に手をおき深く考え込んだ矩斗を横目に、美柚は眉尻を下げた。
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