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2-4 恐怖の屋敷
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「吉永さん、どうなるかわかってるよね?」
確かに、目の前の人物はそう言っている。脅されている。
だけど、美柚は思考に靄がかかったかのように、全てが朧げで遠くに感じるようになっていた。
実際、聞こえているはずなのに、どこか目が虚ろなのである。固まったままぴくりとも動かない。
三、──────── ジンが無言で睨みを効かし、
二、────── レンが微笑みながらも美柚を見据え脅し、
一、──── 今にもゴロゴロと鳴ってもおかしくない天気。
そう。美柚の怖いものナンバーワンはカミナリである。
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