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3-3 冷ややかな視線
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ようやく山上の木々がうっすらと赤や黄色に染まり始め、秋の到来の気配を見せ始めた。
だが、下界のほとんどの木々はまだ青々としており、季節の変わり目をあまり実感させてくれない。
それでも、気温の上がり下がりが激しい日々が続き、そろそろ秋だと、まだ引きずっていた夏の暑さから解放されることを期待させてはくれる。
一ヶ月。
なんだかんだといいながら、紅夜薗兄弟の屋敷に来て一ヶ月以上が経ち、美柚も彼らのペースに大分慣れた。
相変わらず登下校は三人仲良く(?)いつも一緒だし、買い出しも一緒、美柚が外にいる時は必ず紅夜薗兄弟のどちらかは見える範囲にいる。
ここまでくると息苦しいと思うよりも、あっぱれだと美柚もあまり気にしなくなった。
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