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2-2 お約束、というやつです
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お約束。……これは俗にいうお約束とういうやつです。
昼休みに入り一人で電池が切れたようにぼんやりとしていた美柚は、あっという間に十人くらいの女性徒に囲まれ、誘い出され言われるまま非常階段にいた。
「なんで、あなたがレン様と一緒に登校するの?」
というわけで、これまたお約束の集団リンチである。
ちなみに美柚は初体験。
レン様、もとい紅夜薗兄弟とは、美柚が望んで一緒に登校してきたわけではない。
できることなら代わって欲しかった。
今朝、一生懸命彼らから距離を取ろうとしていた美柚の努力をわかって欲しいくらいである。
だけど、それを主張したところで、憤っている彼女たちにはわかってもらえないだろう。
美柚はものすご~くだる~い気分を態度に出し、はあっと大きく溜め息をついた。
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